『ジャーロ』傑作短編アンソロジー(3)『夜明けのフロスト』

時節も時節ということで、クリスマスにまつわるミステリのアンソロジー。ダグ・アリン「あの子は誰なの?」、レジナルド・ヒル「お宝の猿」あたりはクリスマス・ストーリーらしいささやかな暖かみを感じられて良かった。特に後者はシリーズ探偵ダルジール警部の飄々とした切れ者っぷりが楽しい立派な本格ミステリで、このシリーズに興味が湧いた。今度読もうかな。
そしてもちろん表題作にもなっているフロスト警部ものの中篇は例によって忙しなくて面白かったのでした。クリスマスの日に超過労働してる警部等のもとに届くちょっとした幸運がこれまたささやかで微笑ましい。お疲れ様、と言っているような。