2005-12-15から1日間の記事一覧

御影瑛路『僕らはどこにも開かない』

初期の浦賀和宏みたいな、勘違い男子ののさばりを許す世界観に、あー、ハイハイ、まあこのタイトルでこの表紙だもんな、覚悟はしてましたよ、読んでみた僕が悪いですよ、と投げやりに読み進めてみると……えー、そんな適当臭いオチ? 最後だけ取って付けたよう…

近藤史恵『モップの精は深夜に現れる』

シリーズ2作目。と言うか、このシリーズを続けるとは思わなかった。作者自身も語っているように、探偵役キリコは今や“羽衣を奪われた天使”であって、そんな彼女が前と同じように不思議な存在感でもって事件を解決してみせてもそれほど説得力がないんだもの。…

『ジャーロ』傑作短編アンソロジー(3)『夜明けのフロスト』

時節も時節ということで、クリスマスにまつわるミステリのアンソロジー。ダグ・アリン「あの子は誰なの?」、レジナルド・ヒル「お宝の猿」あたりはクリスマス・ストーリーらしいささやかな暖かみを感じられて良かった。特に後者はシリーズ探偵ダルジール警…