鳥飼否宇『激走 福岡国際マラソン 42.195キロの謎』

今年三冊目の否宇たんの新刊ですよ。嬉しいったらないな。今回は『ジェシカが駆け抜けた七年間について』や『42.195 すべては始めから不可能だった』などに続くマラソン・ミステリ。なんだ、流行ってるのか? ともかく、いかにもこの作家っぽい稚気溢れる豪快なネタがラストにそれなりの迫力でもって炸裂してくれて、結構満足した。否宇ファンにはお薦め。
まあ、オチが読めるきらいはかなりあるんだが、こういうどんでん返しに全てを賭けていること自体が愛嬌になっているミステリは嫌えないなあ。鳥飼否宇に求めているのはもっと過激で斬新なものだったりもするけれど、やっぱり嫌えないなあということで。