アンダーグラウンド

狂騒的な音楽を携えて人の男が爆走するオープニングからもう、何が始まったのかという感じ。そのままずっと走り続けているつもりでその実置いてかれてる人達がこしらえた地下の世界はあんなに綺麗で、綺麗すぎて見ていられなくなるのはマルコも観客も同じことで、だからああなっちゃうのは仕方ないんだが寂しいな。だからせめて最後は、という幕の引き方が素晴らしかった。
出て来る人達の狂いっぷりは陽気と陰気の狭間をすごい勢いで行ったり来たりして目が離せない。特に吃音のイヴァン役のスラヴコ・スティマチがすごい。全部素でやってるようにしか見えない。最後の彼のセリフは泣かせる。あと、サルが恐ろしく名演技。サルが出て来る映画オールタイムベストに入ると思う。