蝋人形の館

おお、これは悪くないぞ。ダーク・キャッスル作品としては画期的な出来の良さ。もちろんあくまでB級ホラー映画の枠内でよく出来てるってことなんだが、指チョッキンに唇接着、助けようとして肌はがれまくり、などなどイヤ方向に偏ったグロ系描写に力が入っていて胸が躍った。蝋人形館の最期の姿は壮観であるし、ガイキチ兄弟の暗い運命が画面に象徴的に表されるシーンがいくつかあって面白い。それに、久々に「次に死ぬのは誰か」予想しながら観るのが楽しい映画だった。あとはどうせならもっとバッドエンドでもよかったかな。
主演のエリシャ・カスバートはこの種の被虐ヒロイン役にはまさに適材。それほどマゾっ気のある顔でもないんだが、涙を堪えて目をつぶり、必死に声を潜める表情なんかとても良かった。あのパリス・ヒルトンとともに無駄なお色気もたっぷり披露しているし。そしてチャド・マイケル・マーレイがモテモテな理由はこの映画でよーくわかった。