井口昇『恋の腹痛、見ちゃイヤ!イヤ!』

あの『恋する幼虫』の井口昇のスカトロ人生の回顧本。すげー!これは凄すぎる。井口昇本人の常軌を逸した変態っぷりと、それをさらに上回るスカトロビデオ撮影現場のギンギラギンに狂いまくった修羅場っぷり!どこを取ってもどん引きと爆笑の狭間を行ったり来たりのちょっとありえない読み心地。
小学生時代、好きな女の子に陰口を叩かれて、その後その子がバスの中でエチケット袋に吐いてるとこを「ガンダーラ」を熱唱しながら眺める感動、なんて描写はまるでイアン・マキューアンの小説みたい(とか言って、僕はマキューアン読んだことないです。適当に言ってます)。スカトロビデオ仕事で一緒になった奇人変人のスケッチはいちいち笑えながらも壮観であって、優しさを抜いた男版・森奈津子みたい。いろいろすごすぎるんだが、これで値段が1300円越えじゃなきゃなあ。