サンキュー、ボーイズ

安っぽい哀しみに溢れた女性の一代記。これは世評通り、主演のドリュー・バリモアはかなり危なっかしいものの、助演陣が最高。僕は終始バリモアの夫役スティーヴ・ザーンに釘付けでした。黒髪で、出て来た瞬間は二枚目(半)に見えるという珍しい役柄にもうどっきどき。今回改めて思ったけれど、この人は明らかにサイコキラーの役がやれる器だ。一度やらせてほしい。親友役のブリタニー・マーフィーのあられもない表情も良かった。ラストには一応暖かみがあって、まあそんなに見られないこともない映画かと。
とは言えやはりバリモアが笑えます。息子役のアダム・ガルシアは実年齢で彼女より2歳年上なはずなのに、親子を演じて全く違和感がないというのが恐ろしい。無防備な無表情は見物。ちなみにこのアダム・ガルシアという人の“一歩間違えばジェイク・ギレンホール”という危うさも好き。その分ギレンホール坊やよりつまらないんだが。