山田風太郎『甲賀忍法帖』

別に映画化記念というわけでなく、このタイミングで山田風太郎初読み。期待通りの面白さであまり言うことがありません。主役格のキャラも小物もほぼ同等に扱われる“トーナメント方式”*1の忍術バトルが楽しい。その分いわゆるキャラ立ちは控えめだったりするのだけど、それはそれで。
ふんだんに盛り込まれた燃え展開の中では、陽炎や朱絹といった女性陣の戦いが特に印象に残った。二人とも死に際まで魅せてくれる。あと、いかにも下っ端キャラなのに妙にしぶとい筑摩小四郎が個人的な気に入り。如月右衛門のしつこい変装作戦と薬師寺天膳のしつこい甦りには笑えました。

*1:と評したのは解説の日下三蔵