ウィンブルドン

ベテランテニス選手ピーターは最近負け続き。ええいこれで最後だとヤケクソで行ったウィンブルドンの大会で彼は、奔放で魅力的な若い女性リジーと出会う。彼女と触れ合い、夜を共に過ごすのと同時に、彼は意外なことにトーナメントを勝ち進んでゆき……というお話。
若い女と気持ちよくヤリまくったら調子出ちゃった!って話なのにまともなベッドシーン一つなく、そのくせキスシーンに至るまでの過程はやたらと時間を掛けて丁寧に演出するあたりは、いかにもワーキング・タイトル印のロマコメらしくて好ましい。でも全体的にユルすぎ。中盤、二人の関係に亀裂が入る展開が「バカップルが自然な破局を迎えた」って風にしか見えないので、その後のハッピーエンドが盛り上がらないこと甚だしい。あと、サブキャラ出しすぎだろう。恋のキューピッド役は一人でいいです。
とは言いつつ、やはり僕は主演のポール・ベタニーが終始画面に映ってるだけで大満足。もはや額のシワまで愛しい。“負け犬根性が染み付いてるけど、下半身は元気”ってな役柄にも合ってるんじゃないでしょうか。お相手のキルステン・ダンストはセレビッチ路線でこれも結構なハマり具合。あと、タイトルバックがえらいカッコいい。たぶんここが映画の中で一番出来がいい部分だな。