鉄人28号

父を亡くし、母と二人暮しの少年正太郎の前にある日現れた巨大ロボットブラック・オックス。彼は亡き父が遺したロボット「鉄人28号」を操り、ブラック・オックスと戦うよう促されるが、見事に失敗してしまい……というお話。
一番のショックは正太郎君がアンクレットをしていたことでした。誰か僕の見間違いだと言って!……というわけで、終始グズグズなダメ映画。おかしいなあ、『非・バランス』(→感想)は好き嫌いは別にして決して下手な映画じゃなかったのに、その監督でどうしてこれなんだ。演出を云々する以前に、中村嘉葎雄が明らかにセリフを噛んでいるカットをそのまま使ったりしてるこのユルさは、一体なんなんだ。脚本の問題としては、正太郎君が終始ウジウジしてるので一体どこで“勇気を振り絞った”のかよくわからないのと、「破壊されていいロボットなんてない」なんてお題目唱えてる暇があったら敵役の魂を救ってやれよ!絶望させてどうする!ってのとか。あと、CGは噂通りショボいです。鉄人もオックスもアドバルーンみたいに軽そう。
そしてまた出演者が原作マンガという巨大な虚構と戦ってほぼ全員討死に状態。唯一勝っているのが柄本明で、この人だけは完璧にマンガキャラを三次元で再現していると言っていい。ヒロインの蒼井優と、僕のお目当て香川照之もまあまあ。まあ、香川の場合演技はどうあれ体形に問題があるんだけど。他はひどいぞー。とりあえず、正太郎役の池松壮亮はいちいちセリフを怒鳴るのをなんとかしろ。顔はサル顔で可愛いのになあ。