エターナル・サンシャイン

恋人につれない態度を取られて傷心の主人公。しかし何かおかしいので探ってみると、なんと彼女は自分に関する記憶を消してしまったというのだ。ショックを受け、自分も彼女の記憶を消してしまおうとする彼だったが……というお話。
はい、これは“ミステリ系”サイト管理人さん方必見ですよ。一見ただのアヴァンギャルド崩れな映像で見せるヘンテコラブストーリーながら、その中に仕込んである気の利いた伏線と綺麗に決まったオチが素晴らしい。この仕掛けがテーマと密接に関連しているところがまた良くて、おかげでラストは何気ないのにえらくハッピー。例えば『メメント』がそうである程度にはこれもミステリ映画と言えるでしょう。西澤保彦とか乾くるみが書きそう。ただ、伏線に気が利きすぎていてオチが割れやすいのが難点か。
主演のジム・キャリージム・キャリーとは思えないほど陰鬱に根暗文系オタク男子を演じてえらくキュート。彼がジム・キャリー的演技を見せるシーン(幼児退行するところとか)が例外なくサムいのを見るにつけ、“自然”なジム・キャリーってのも悪くないなあと思う次第であります。裏ヒロインのキルスティン・ダンスト(なんと、凶悪面が気にならない!)の沈鬱な表情とその恋人マーク・ラファロの情けなさもいい。