ナショナル・トレジャー

伝説の秘宝を追い続けるゲイツ一族の末裔であるベンは、独立宣言書に宝のありかが記されているという手がかりを得る。だがその際仲間と意見が割れ、宣言書を盗もうとする彼等の先回りをしなければならなくなるが……というお話。
おお、これはよく出来ているのでは?オタク向けでなくあくまでオトコノコ向けなのでその毒気のなさに若干不満を覚えないのでもないのだけど、そのぶんファミリー映画としては強力。少年の心をくすぐりまくる謎の小道具は満載だし、どう考えてもB級映画にしかなりようのない題材がこんなにスッキリと趣味よく見えてしまう、細部まで行き渡った気配り演出はすごい。ヒロインがドアを伝って車から車へ飛び移るシーンまでが面白く見えたのにはびっくりした。こんなの今さら面白くなりようがないのに。
主演のニコラス・ケイジは完璧。ヒロインのダイアン・クルーガーは今までの出演映画に比してダントツで可愛いし、コメディ・リリーフのジャスティン・バーサのお茶目さまでが予想以上。ベンのライバル役のショーン・ビーン、父親役ジョン・ヴォイトあたりのおじさん組は当然のごとく安定している中、ベンを追う捜査官役のハーヴェイ・カイテルだけが見せ場無し。これはちょっと可哀想かも。