ベニー松山『小説ウィザードリィ 隣り合わせの灰と青春』

人気ゲーム「ウィザードリィ」シリーズのノベライズ。狂王の護衛軍に取り立ててもらうため地下迷宮の探索を繰り返している主人公たち6人は、一人の仲間の死を迎え、今日、新たなパーティーでは初の最深部への冒険へと赴くが……というお話。
えー、故あって読むことになったのですが、ウィザードリィについての知識も愛着もほとんどない僕からすると、まあ普通の剣と魔法のファンタジーだなあという印象で、特に言うこともありません。強いて言うなら、敵役(の一部)にも見せ場を与えているところが好き。悪の道に堕ちたはずの僧侶アルハイムが終盤すっかりいい人になっちゃうあたりはなかなかの燃え展開と言えるのではないかと。ただ、さすがに「守るために戦う」式の論理にはもう食傷気味なので、そのへんが辛かった。
で、僕はこの後『風よ。龍に届いているか』も読むことになっているんですけど、どうなのかなあ。