西風隆介『SANCTUM ゼフィロス』

ウォール街に勤める主人公マックはある事件によって財産を失い、おまけに追われる身に。逃げ惑う彼の先にある時、奇妙ないでたちをした謎の女性が現われ、彼女がマッチを擦ってみせると、彼はいつの間にか見たこともない場所にいて……というお話。
えー、西風先生の新シリーズですが、やってることは全くもって神の系譜シリーズと同じです。違いは神社仏閣巡りがちょっとばかしワールドワイドになって、本物の神様がドカスカ出てくることくらいか。油断するとすぐ説明的になってしまったり、人物の内面描写が小学校低学年向けマンガみたいだったりするド下手な文章も相変わらずなので、冒険小説としては興を削がれること甚だしい。のですが、この人の下手さには何故か心和んでしまう僕はそれなりに楽しみました。この、何とも独特な鈍さを見せる言語センスがたまらない……。
というわけで、まあ次巻以降も読もうかなと。特に思い入れのあるキャラもいないけれど、マックの台詞回しは土門くんみたいだし、まあなんとか……。