恋は邪魔者

メイン州から出て来た作家バーバラのデビュー作『恋は邪魔者』は大ヒット。女性が生きていくのに恋は不要と説くその本とバーバラの発言によりすっかり人気を失った雑誌記者キャッチは、別人の振りをしてバーバラに近づき、自分に惚れさせようと目論むが……というお話。
60年代セックス・コメディの再現ということで、ファッションやら音楽はちょっとやりすぎな感があるくらい洒落ていて目に楽しい。お話のほうも主役二人の脇でくっついたり離れたりするカップルの描き方が良くて面白かったのけど、終盤のどんでん返しで感情の流れがプツリと切れてしまった。これは余計でしょう。恋の駆け引きなんてものはもっと楽しそうにやってくれないと。まあ、説明台詞を延々5分間(体感時間)くらい述べ立てるレニー・ゼルウィガーの図、にはある種の迫力があったけれど。
主演の二人は魅力的でないわけではないもののそれぞれに問題あり。バーバラ役のレニーは可愛いのだけど、アップになるとメイクや衣装に無理が感じられてしまう。この人は野暮ったいとこがいいんだもんなあ。キャッチ役のユアン・マクレガーはプレイボーイと言うよりはヒモ気質の人に見えるのでこれまたミスキャストの匂いが。で、良かったのはキャッチの同僚役を演じたデヴィッド・ハイド・ピアース。神経質な立ち居振る舞いがいちいちチャーミングで、この映画で一番印象に残った。