小林めぐみ『食卓にビールを3』

幼妻で新進作家の女子高生がSFまみれの日常をフニャモラーと過ごす連作短編集第3弾。いやあ、エビスは美味しいなあ。プハーッ。……って、これ読んで思わずエビスを買って来てしまったわけですが、相変わらずヘンテコなのに和めて何より何より。楽しい!
特に面白いのは、日常に唐突に紛れ込んできたSF的物件がどんどんインフレを起こして遂に爆発!そして立ち消える、という展開を見せる短編で、「スナイパー篇」「密輸篇」なんかがそう。「降臨篇」のあまりにあんまりな唐突さで紛れ込むSF物件も楽しい(何しろ宇宙戦争の開始が一行で説明されるのだ)。ちょっぴりシリアスでわりとまともにハードSF?な「廃墟篇」も希望に満ちていていいですな。ソファとかベッドに寝転んでのウダウダ読み推奨。さあ、あなたもエビスを。