マシニスト

酷い不眠症に悩まされ、もう1年間眠っていない主人公。そんな彼は仕事場である工場で怪しい男と出会う。彼に気を取られ、大きなミスを仕出かした主人公は、自分は嵌められているのではないかと疑うが……というお話。
何かびっくりするオチなんだろうなあ、と期待に胸を膨らませて観たら、あまりに何もなくてびっくり、という映画でした。いや、一応ネタは仕込んであるのだけど、これは二転三転の最初の一転レベルのネタであって、堂々とオチに持ってくるようなものじゃないだろう。「ああ、あれはそういうことだったのか!」的な伏線も皆無。あと、この監督の前作『セッション9』(→感想)が真相を懇切丁寧に説明しすぎで興醒め、という感じの映画だったと思ったら、今度は説明が足りなすぎ。ちょうど中間を取れないものか。
まあ映像的には面白いところもなくはなくて、キノコ型の塔みたいな建物にこちらへ歩いて来る女性の姿がオーバーラップする妙なカットつなぎは白昼夢っぽくて綺麗だった。主演のクリスチャン・ベールは、ガリガリ体形のわりに精神が不健康な感じはそれほどしないのが残念。