ドリームキャッチャー(背景色でのネタバレ含)

子供の頃仲良くなった友達ダディッツから不思議な力を貰ったヘンリー、ジョーンジー、ピート、ビーヴァーの四人組。山小屋で久しぶりに一堂に会し、久闊を叙する彼等だったが、そこへ顔に奇妙なアザが出来た遭難者が迷い込んで来る……というお話。
なるほどー。確かにこれはカルト的な人気が出てしまうのもわかるメチャクチャな映画ですね。一切の前情報抜きで見たほうが面白いと思うので、これから見る予定のある方はこの感想も読まないほうがいいかと。僕は、“謎の伝染病”モノから一瞬で“寄生虫”モノに展開した、と思ったらそこからまた一瞬で“宇宙人”モノになったりといった詰め込みすぎな急展開に思わず口がポカーンとなったり、小便で雪に字を書いてたらそこに開いた穴から怪物が!などの意図不明展開に噴き出したりしながら至極楽しく見ました。
さて、ちょっと勿体無いのは、いわゆる“B級”的な要素の取り込み方が中途半端にM.ナイト・シャマラン映画っぽいこと。ラスト、戦地に赴くダディッツを見送る母親が「アーイ、ダディッツ!」のポーズを取るシーンを例に取ると、シャマランならこのアホアホな場面ですら観客を泣かせることが出来ます。逆に王道B級映画なら大いに笑かしてくれるはず。この映画はその二つのちょうど中間くらいの印象を与える演出で、なんだか微妙な反応を取らざるをえないのが歯痒い。勿体無いなあ。
ビリング・トップのモーガン・フリーマンはサイコな鬼軍人役で必要以上に重厚な演技を見せ、絶妙な違和感を醸し出してます。アホ四人組のうち特にアホなメガネ君を演じたジェイソン・リー、終盤ずっと半泣き顔で通すダミアン・ルイスは魅力的。トーマス・ジェーンもカッコいいのだけど、とても精神科医には見えないのが減点。