サスペクト・ゼロ

まぶたを切り取られ、眼球を剥き出しにされた死体に謎のマークが残される連続殺人事件。左遷されたFBI捜査官の主人公は事件の有力容疑者を追うが、その容疑者には過去に“サスペクト・ゼロ”という犯罪学理論で、証拠を全く残さない幻の連続犯罪者がいるという説を展開していた……というお話。
これ、予告編にネタバレが含まれてますね。ただでさえつまらない映画なのにただ一つの“意外な展開”までバラされちゃって可哀想なこと。えーと、この映画の最大の問題は、観客にサイコ・スリラーを期待させといて結局ミステリーですらなかったこと……はまあいいとして、サイコキラーに共振してどんどんおかしくなっていってしまう主人公の役をアーロン・エッカートに振ったことでしょう。彼にはこういう類の演技は向かないと思うのです。目を剥いてガイキチ顔を作ってみたりして頑張ってるのはわかるだけに悲惨だ。
サイコキラー役のベン・キングスレーは『砂と霧の家』(→感想)に引き続きひたすら「さあ、憐れんで下さい」演技をしてみせるのだけど、脚本の不備もあっていまいち感情移入できず。ヒロインのキャリー=アン・モスはひどいなー。いつの間にこんなに老けたの?この先大丈夫なんだろうか。