THE JUON/呪怨

アメリカからの交換留学生カレンはケアセンターからボランティアとして派遣され、ある家に赴く。老婆が一人きりのその家では、奇妙な物陰や物音が絶えず、遂に彼女は恐ろしいものを見てしまうが……というお話。
呪怨』だ!『呪怨』なのにアメリカ映画だ!ってことで、今回もいつもと同じようにきっちりと『呪怨』でした。今までのシリーズの名場面総決算な内容が結果的にかなりのファンサービスになっていて、ビデオ版『呪怨』の柳ユーレイのポジションにあたるキャラクターがいたり(しかもその役をビル・プルマンが演る!)、あの「顎無し女」まで登場するに至ってはもう僕大喜び。ただ、不満もいろいろとあって、まず、呪怨に接するまでの主人公達を「慣れない日本で孤独を感じている」ように描いたのは失敗でしょう。『呪怨』の面白さはごく普通の幸せな生活を営んでいる人達が恐怖に巻き込まれるところにあったはず。
さらにまずいのは、これからクライマックス、という場面で呪怨が発生する元になった事件のカットバックを入れたこと。おいおい、恐怖の本番前に伽椰子や俊雄に同情させてどうするよ。そして一番の不満は伽椰子の“階段ずーりずり”をちゃんと見せてくれなかったこと。そんなにカット割るな!気合入れてずりずりしてる伽椰子さんに失礼じゃないか!
主演のサラ・ミシェル・ゲラーはきちんとやつれてて妥当。ビル・プルマンはちょっと不遜さを感じさせる表情がちょうど役に合ってる。ちょい役で出てるサム・ライミの弟テッド・ライミの演技がなかなか良くて、血を踏んでツルッと滑るときの滑り方なんか巧い。まあ、あれは演出の功績かな。