ドグマ

命令を拒否した罪で天国を追放されて早1000年、天使ロキとバートルビーニュージャージーカトリック教会が新しく始めたキャンペーンの中に教義の“抜け穴”を見つけ、それを利用して天国に帰ろうと目論む。一方、中絶医のベサニーの元には大天使メタトロンが現われ、かの二人を止めるよう求められるが……というお話。
前半はどんどん増える登場人物のキャラが(天使コンビ以外)いちいち立っていて面白かっただけに、コメディからシリアスへの転換が上手くいかなくて各キャラの見せ場もないままラストで失速してしまうのが惜しい。バカとマジのギャップでもっと泣かせることも出来たはずなのに、そもそもそのギャップがよく見えないのだな。ギャグについては聖書絡みのよりも映画ネタが面白くて、特にジョン・ヒューズの扱いには笑った。
天使コンビ役のマット・デーモンとベン・アフレックはまあいつもよりかは若干微笑ましくて見やすい。脇役のみなさんはみんなそれぞれに魅力的で、クリス・ロックがカッコよく見えたのにはびっくりした。ミューズ役のサルマ・ハエックの過剰な感じやら堕天使役のジェイソン・リーの安っぽい感じもいい。そしてメタトロン役のアラン・リックマンは例によってフェロモンだだ漏れ。いやあ、ご馳走様でした。