バーシティ・ブルース

ある名門の高校アメフト部。親世代のアメフト狂いに嫌気が差してグータラしてる主人公は、負傷したエースの代役を務めて大活躍、一躍スターになってしまう。しかしいまいち気の晴れない彼は、チームの独裁者・鬼コーチに反発を見せ……というお話。
青春映画特有の青臭さをきちんと魅力として提供した上で、なかなか公平なお話にもなっていて、ちょっと感心した。スポーツに振り回されるってロクなもんじゃないけど、でもスポーツ自体が悪いわけじゃない、ってなメッセージがあるような。にっくき鬼コーチでさえ一方的に悪役としては描かずに、「この人も可哀想な人なんだよ」的な視点があるのが素晴らしい。ま、ウハウハな状況下に置かれても全く調子に乗らない主人公は立派すぎるように見えちゃうのだけど。
主演のジェームズ・ヴァン・ダー・ビークは顔立ちが全く整っていないのだけど、一応学園モノの主役としての責務は果たしている。鬼コーチ役のジョン・ヴォイトが良くて、若者パワーに負けて控え室を去るその後姿に漂う哀愁がたまらない。あと、元エース役のポール・ウォーカーなあ。この人の、二枚目であることが足枷になってる感じって本当に面白いと思う。