天沢退二郎『光車よ、まわれ!』

ある雨の日、教室に遅れて入って来たクラスメイトが不気味な大男に見えた一郎。それ以来、彼の周りでは奇妙なことが起こり始め、それに対抗するため仲間達とともに三つの“光車”を探すことになるが……というお話。
しばらく前に復刊したのを今頃購入。内容忘れてたので読み直してみました。いやいや全くもってダーク一辺倒な冒険ファンタジーといった感じが最高。下水溝の中をスノコに乗ってシュルシュル滑ったり、謎の水路をボートで下っていったら変な広場に出て頭上には巨大な鏡が!だの、クライマックスに及んでは鞭打たれて血を流しながら光車を宙に放る子供達、といった妖しいビジュアル・イメージにとても迫力があって、思わず引き込まれる。苦難をくぐり抜けてゆく子供達の目の暗い輝きまで見えるようで、そのアブナさに少しニヤニヤできたりもして、とても楽しい。やはり傑作。
で、次はやっぱりオレンジ党かな。一作目は買ってあるのだけれど。