トーク・トゥ・ハー

毎日窓辺から見つめ、家まで押し掛けたバレリーナが事故に遭って昏睡状態に。そこで彼女の看護を買って出た看護士ベニグノは眠る彼女と幸せな日々を過ごす。一方、闘牛士の彼女が昏睡状態になった記者マルコは彼女のそばで過ごすうち、ベニグノと親しくなり……というお話。
わっは。個人的にツボを突かれて久しぶりに画面に釘付け状態に。このベニグノという人があまりに常軌を逸した変態なのでその変態っぷりに負けて世界(神様と言い換えても可)のほうが付き合ってくれた、というね。こういう話には弱いのです。ヒロイン二人を実にフェティッシュに映すカメラといい、挿入される音楽やら舞踏やらの美しさといい、こんなにヘンな話なのに静謐感漂っちゃって面白い。誰の想いがどこに向かっているのかよくわからなくなるほど錯綜した終盤の展開にとどめを刺されて、わっは。この映画好きです。
主演の男二人の配役がすごく良くて、この二人が最初に一緒に画面に映った瞬間から“お似合いのゲイカップル”に見えちゃう(別に作中そういうことになるわけではないのに)あたりわかってらっしゃる。さすがゲイ監督。特にマルコ役のダリオ・グランディネッティはモロにゲイ好きのする二枚目で気に入った。その点正ヒロインのレオノール・ワトリングは少し魅力不足か。