ネバーランド

劇作家ジェームズ・バリはこのところスランプ気味。ある日散歩に出た先の公園で出会った母一人息子四人の家族と彼は親しくなり、特に内気な少年ピーターを気に掛け、その交流を新作の脚本に盛り込んでゆくが……というお話。
意外なほど普通の“感動”話でびっくり。個人的にジョニー・デップが苦手ということもあってわりと引き気味で観ていたのだけど、乗れなかったのはそれだけが原因じゃないと思う。一番問題なのはバリ等の見る幻想シーンが(ラストのネバーランドも含めて)ちっとも綺麗でも夢のようでもないというところ。もうちっと美術とかなんとかならなかったんだろうか。実話を基にしているという足枷があるとは言え、全体的に辛気臭すぎて、登場人物が見る夢さえも現実の辛気臭さを高めることにつながってしまっているのが何とも。あー、これ見てたら『ピーター・パン』が見たくなってしまった。DVD買おうっと。
主演のジョニー・デップはやはりどうしようもないほど苦手。お母さん役のケイト・ウィンスレットも病人には見えず。良かったのはお祖母ちゃん役ジュリー・クリスティで、厳しくしてても“根はいい人”な感じが透けて見えるあたり魅力的。あと、四人兄弟の中では個人的に長男が可愛いと思いました。