ホワイト・ライズ

カメラマンからエリートビジネスマンに転身を遂げた主人公は、故郷シカゴに戻った際、2年前に待ち合わせ場所に現れずそのまま消えてしまった恋人を目にする。仕事や婚約者も構わず彼女を追う彼だったが……というお話。
これ、失敗作だとは思うのだけど、中盤がなかなか楽しくて。何故って「ロマンティック・コメディの定番キャラ“お邪魔虫”を真性サイコ女として描いた上で主役に据える」というヘンな試みとして観ることができるから*1。このくだりはスリリングで思わず画面に向かって身を乗り出したほど。でも、結局ラストでただの「やたらとまわりくどくて不純物の多すぎるロマコメ」になってしまって。カッコつけた時系列シャッフルも画面分割もこれじゃあ虚しいな。
キャストではその“真性サイコ女”役のローズ・バーンがダントツ。演技の巧拙以前の問題として役にハマりすぎ。素のキャラもこんなんなんじゃないかと思わせるくらい。おかげで主演のジョシュ・ハートネットも正ヒロインのはずのダイアン・クルーガーもすっかり霞んでいるのだけど、何より可哀想なのが僕の好きなマシュー・リラード。この役は哀れすぎる……。

*1:いや、製作側にそんな意図はないのだろうけど