香川照之『中国魅録 「鬼が来た!」撮影日記』

中国映画『鬼が来た!』(→感想)に出演した俳優香川照之が現場で過ごした日々を綴った日記に自己ツッコミと詳しい記述を加えた撮影日記。
おお、これは……?香川照之に対するミーハー的な動機のみで読んだ僕をして感想をハーーー(;´Д`)ーーーン!!!の一言で済まさせないなかなかの一冊。書いてあることは主に「ひどい現場だった」「中国人ムカつく」「でもこの映画はすごい映画」の三点なのだけど、特に面白いのはこれを“異邦人コメディ”として読んだ場合で、著者が十二指腸潰瘍で入院することになったくだりなんかは読みながら何度も吹き出してしまった。香川照之がひたすらヒドい目に遭うお話が読みたい方や、中国人のわけわからなさを知りたい方にお薦め。あ、そうそう、この本を読むとですね、『鬼が来た!』の人物描写について行けなかったのもさもありなん、と思えます。
とりあえず、この本を出版してくれたキネマ旬報社に感謝。