ターミナル

クラコウジア連邦人ナボルスキーが遥々アメリカまでやって来ると、自国で紛争が起こりパスポートもビザも取り消しに。紛争が落ち着くまで空港内で待つことになった彼は次第に空港の従業員と親しくなってゆき……というお話。
えらい中途半端なオチでちょっとびっくり。てっきりラストには「主人公とヒロインの恋の成就」か「管理局長が初めて主人公に情けをかける」シーンが来るものと思っていたら、どちらもラストに置かれないどころか存在すらしないというはぐらかし。主人公が“待つ”動機にもっと説得力がないと、このラストでは尻つぼみの感が拭えないのでは。サブプロットとして描かれるトレッキー女管理官と運搬係の恋模様は微笑ましくて良かった。
主演のトム・ハンクスは、また“ピュア”な役かよ、という感じがしつつもコロコロ変わる表情が魅力的。ヒロインのキャサリン・ゼタ=ジョーンズは損な役回りながらナチュラルで綺麗。あと、一番良かったのが管理局長役のスタンリー・トゥッチ。実にチャーミングな憎まれ役っぷり。