双頭の悪魔 真犯人は誰だ?

推理小説研究会員の仲間・マリアを追って芸術家達が暮らす閉鎖された村へやって来たアリス達一行。しかし村の中に入ることができたのは江神だけだった。そんな状況の中、村の中と外の両方で殺人事件が発生し、推理研の面々は双方で捜査を進めるが……というお話。
有栖川有栖の『双頭の悪魔』を映像化したVシネマの“問題編”に当たる巻。ちなみに“解答編”のほうは見つからなかったので当分見る予定なし。原作読んでるとは言え、なんて中途半端な……。お話のほうは僕の記憶が確かならかなり忠実に原作を再現していて、でもキャラクターについては再現度が低い。アリスは好青年すぎるし、江神さんはエキセントリックすぎる(おまけに二人とも標準語を喋る)。でもまあ原作を忘れた上で見れば、伏線があからさますぎる点を除いてミステリドラマとしては合格点かと。
で、問題はキャスティングですよキャスティング。なんたって江神さん役が香川照之だぞ。僕は好きだからいいけど、原作ファンは怒るだろう。でも、香川の演技パターンが“御手洗以後”のエキセントリックな名探偵像となかなか相性がいいという素敵な発見ができたのは良かった。そしてさらに問題なのがマリア役の渡辺満里奈(!)。ぶりっ子演技で見事に萎えさせてくれます。他のキャストはわりとまともかな。