独立少年合唱団

1970年代初頭。父を亡くし一人になった道夫は編入先の中学校で吃りについてからかわれ、しかしそんなところを合唱団のリーダーで美しいボーイソプラノの持ち主の康夫に助けられる。彼と一緒に合唱に励むことにした道夫だったが……というお話。
久しぶりに、何とも不快な心持ちにさせてくれた映画。若い情熱が間違った方向に向かってしまって、結果悲劇が訪れるって話が描きたかったのなら、せめてもう少し康夫という少年に感情移入させてくれないと。当時の社会事情の盛り込み方も中途半端だし、ついでに製作陣にはやおい根性も欠けているようで、もう全く見る所がないんだけど、ひたすらに不快感をもたらすことにだけは成功しているというどうしようもなさ。あー、見るんじゃなかった。とまで思った。
キャストにも誰一人見る所なし。“香川照之ならなんでもいい”ってな状態の僕をもってして香川に魅力を感じさせないというのはある意味すごいな。康夫役の藤間宇宙はただただ気持ち悪い。主役の伊藤淳史はただの大根。しかしこの少年が吃りを克服しないうちから彼の声による(吃っていない)ナレーションを入れちゃうあたり、頭悪いよな。