古川日出男『ボディ・アンド・ソウル』

作家フルカワヒデオは妄想する。新作のプロットを練る。食事する。街を歩き、様々なものを見る。編集者や昔馴染みと話し合い、食事する。そしてまた妄想する……というお話。
偽エッセイ調で語られる日常の中を妄想が静かに暴走していく小説で、あらすじ書きにくいったらないので上の記述は無視して良し。文体の乱れ方・崩し方がいかにもスタイルとして安定しててつまんないなー、と思っていたら終盤になってようやくスリリングな要素が顔を出して来て、混沌としたまま終わってくれた。読後に残るものは「虚しい」とかそういう感情なのだけど、それはそれで強いものではあるのだけど、やはり僕はもう少し隙があるほうが好き。
で、この作者の本で一番最初に読んだのがこれってのは正解ですか?不正解ですか?