静かなるドン 1〜12、静かなるドン THE MOVIE

下着会社でデザイナーとして働く近藤静也はある日、父の後を継いでヤクザの総本山・新鮮組の三代目総長に就任することになる。同僚で憧れの人・秋野明美への恋心に惑い、自分の中に眠るヤクザの血を恐れながらも何とか組を動かしていく静也だが……というお話。
前の週あたりから見始めてまんまとハマってしまったVシネマシリーズ(劇場版含む)。まあケチをつけるならいくらでもつけられるユルーい作りで、特にシリーズ構成は上手く行っていないこと甚だしい*1のだけど、全体的に何とも微笑ましくとぼけた味わいがあって好感が持てる。一つの話の中のシリアス→ギャグ、ギャグ→シリアスの移行がスムーズなのは褒めてもいいところかな。
しかし以上のようなことは本当は全てどうでもよくて、何と言ってもこのVシネマの偉業は近藤静也役を香川照之に演らせたことにある。いやー、参った!彼の“老け”加減と“青臭”加減のバランス、常に本心を包み隠してるような演技パターン等々が完璧に役の中で活きていてすこぶる魅力的。ごめんなさい、個人的に激しくツボに来てしまいました。
こうなるとこのシリーズが未完であること*2が本当に悔やまれる……。適当で強引でもいいから何とかハッピーエンドをつけてから終わってほしかった。このままでは近藤静也が可哀相すぎですよ?

*1:主人公の心変わりが急激すぎ、急に現れたり消えたりするキャラ多すぎ、など

*2:及び、11・12巻の演出が10巻までと違いすぎること