犬、走る DOG RACE

新宿歌舞伎町を寝ぐらとする刑事の主人公は韓国人の情報屋、中国人の恋人と生活を共にし、権力を笠に着た横暴で危険な振る舞いを繰り返していた。が、そんな日々の中、恋人が死体で発見され……というお話。
『静かなるドン』が未完だったことによって負った精神的ダメージを軽減するため、休む間もなく香川照之出演作を見ようという試みの、これ(と、『彼女が死んじゃった。』)が最初。歌舞伎町あたりの文化ごった煮加減やら不良刑事の不良っぷりやらをカッコいい物として提示しているあたりがなんだかダサー、という感じ。オチでしんみりするのはいいけど、その前にも何度かしんみりしてしまっている場面があるのはいけないな。スピーディーな展開に爽快感がなくても、それくらいはせめて爽やかに、ということで。
キャストは完全に大杉漣の一人勝ち。この人の持つ情けなさと寂しさがすごい勢いで前面に出てくるので主役のはずの岸谷五朗もヒロインも完全に喰われてる。僕のお目当て・香川照之は結構小さな役で満足感は得られず。バッコンバッコンしてる姿は良かった。