キース・アブロウ『抑えがたい欲望』

心に深い傷を抱えた精神科医クレヴェンジャーは久方ぶりに警察の捜査に関わる。扱うことになったのは大富豪の双子の赤ん坊の片方が殺された事件で、彼は最初富豪の養子を疑うも、他の家族にもそれぞれ動機があることがわかり……というお話。
くどくない描写と細かく展開するストーリーでリーダビリティはなかなか。サスペンスとしてのオチは予想範囲内(っつーか、“古い”)でそれほど感心はしないのだけど、主人公が事件を前にしながらも事件とは直接関係ないことについて無闇矢鱈に苦悩する様が面白いので良し。このナルシストめー、とか思わないでもないんだけど。
しかしなんでこの本読んだんだろう。きっかけが思い出せない。