17歳の処方箋

精神病院に入ってる父親に優秀で嫌味な兄、そして最悪な母親に囲まれた主人公イグビーは新しい学校に入れられては逃げ出すことを繰り返し、遂に自分の名付け親(にして母の愛人)の愛人の部屋に逃げ込むが……というお話。
いやもうみなさんこの邦題からご想像される通りの映画ですよ。思春期の自意識過剰な少年の滑稽さと哀れさとそしてある種の輝きをうんたらかんたら、みたいな。僕はこういうのってわりと苦手なのだけど、主人公はともかくその周辺のサブキャラ達の描き方が面白くてそれなりに楽しく観ることができました。ちょっとオチがお約束すぎる気がしないでもないけど、あれでバランスが良くなったとも言えるかな。
主演のキーラン・カルキンは根拠なく自慢げな感じがもう最高にムカつかせてくれてこの役にはピッタリ。父親役のビル・プルマンもいい年して“ナイーブ”なムカつく演技が良し。僕が気に入ったのは兄役のライアン・フィリップで、この俳優の使い方としては今まで観た中で一番面白かった。“童顔のジェントルマン”みたいな妙なニュアンスがあって。