ティエリー・ジョンケ『蜘蛛の微笑』(背景色でのネタバレ含)

自分の女を徹底的に管理し、自分以外の男とまぐわせて目を楽しませる富豪リシャール。銀行強盗に成功したはいいものの逃げ場がなくなって途方に暮れるアレックス。謎の男に突然捕らえられ、監禁されて非人間的な扱いを受けることになった男。彼等の運命はもつれ合い絡み合う……というお話。
うわ、これTSFじゃん!まさかそんなネタだったとは。とは言え、いったん物語全体の構図が明かされてしまうと、後はTSFの王道とも言っていい展開を見せるのでサプライズという点ではそんなんでもない。僕としては早川ミステリ文庫から出てるような小説でTSFなお話を読めただけで大満足だけれど。分量少なくすぐ読めるので、今年の海外ベストに選ぶものを適当に見繕いたいという人にもお薦め。