ドッグ・ショウ!

名門犬コンテスト(毛並みだの歩き方だのを審査される)に集い、競い合うちょっとおかしな人々のあれやこれやを偽ドキュメンタリー調で描いた映画。これは面白かった。淡々とした進行と登場人物のやたらと平等な扱われ方のおかげで“感情移入させられる”という感覚がなく、笑いながら自然に、優しい気持ちで人々を見守れるという感じ。
特に印象に残ったのは、両足が左足の夫とその妻のペアのちょっと見苦しいほどに微笑ましい頑張りぶり、犬を我が子扱いするのが行き過ぎてヒステリー状態の夫婦のやり取り(蜂のオモチャを無くす場面のリアリティは素晴らしい!)、そしていちいち下らなくも下品なギャグを飛ばすコンテスト司会者とそのギャグにいい加減慣れっこになりつつもいちいち辟易してみせる解説者のやり取り、など。
ダブル左足夫役のユージン・レヴィは『アメリカン・パイ』路線の間の悪いキャラでやはりすごくいい。パーカー・ポージーのヒステリー妻演技も笑えた。