キャリー

学校ではみんなに虐められ、家に帰れば狂信的でアブなすぎる母親が待っている少女キャリー。彼女には超能力があった。ある日ハンサムな男の子にプロムへ誘われ、最初は戸惑うも誘いを受けることにした彼女だったが……というお話。
さすが名のある旧作なだけあって面白い。主人公キャリーへの感情移入のさせ方が尋常じゃなくて、「虐められるのも納得」と思わせつつ同情を煽る前半から、この後起こることを知りながらそれを一旦忘れて心から祝福してしまうプロムの場面、そしてクライマックスの悲劇までずーっとキャリーの“味方”をさせられ、自然に最後まで付き合ってしまうという感じ。だからラストまではあっという間。いやあ楽しかった。欲を言えばクライマックスでは生首が飛ぶくらいのことは起こってほしかったし、終盤ちょっとダレる気もするけど。
キャリー役シシー・スペイセクは逆三白眼みたいな目の力が強くてこれ以上のキャストは考えられないほどのハマり役。他の若者キャストは揃いも揃って清々しいまでの性格捻じ曲がり演技で憎まれ役もばっちり。でも一つ気になったのはあのスーって娘の唐突な情け心の出し方で、見ていて一番意味不明だった。