がんばっていきまっしょい

1980年代、有名進学校に入学した悦子はボートに憧れ、女子ボート部を作るが部員がなかなか集まらない。ようやく五人になった部員で楽しく練習の日々を過ごし、新人戦に出場するも散々な成績で……というお話。
リアルって言うんじゃないけどどこにも大げさなところがない、抱きしめたくなるような青春映画。まだ第二次性徴期も終わってないような雰囲気の女子ボート部員達の和気藹々っぷりや次第に真剣になっていく様子、試合でめちゃくちゃ本気になって頑張っちゃったり負けて泣いちゃったりがとても愛しく、それでいてすごく儚い。光ったそばから色褪せてしまうことによって輝きを増すのは、まさに青春の特権と言ったところか。
主演の田中麗奈はもう、この人の人生でこれ以上の当たり役はないだろうなと思わせるほどの光り具合。ラストのレースで幼馴染みの彼に呼ばれてフッと顔を上げるところなんて泣けました。他のボート部員達も総じて素朴なひたむきさが見えていい。意外な拾い物だったのはやる気のないコーチ役の中嶋朋子。前半の「あほらし」ってな表情と後半の笑顔がちゃんとつながって見える好演。