ヘヴン

夫と多数の子供達の仇である会社社長(実は麻薬王)を爆死させるつもりが失敗して違う人達を死なせてしまったフィリッパ。憲兵隊本部で彼女の通訳をすることになったフィリッポはそんな彼女に一目惚れ。なんとか彼女を逃がそうとするが……というお話。
ケイト・ブランシェットとジョヴァンニ・リビージのラブストーリーって時点でもう完璧にツボなのだけど、それ以上にあまりに美しく色鮮やかな映像の連続にやられた。列車がトンネルを抜けるシーンとか、フィリッパとフィリッポ(ええいややこしい)が大きな木に駆け寄ってその下で愛を交わすシーンなんて息が詰まるほど。そしてファーストシーンに対応した爽やかで哀しいラストシーンには思わず涙が。綺麗だったー。
ただ、前半で描かれる二人のやり取りは密やかで後ろ向きで良いのだけど、後半に入るとわりとありきたりな「追い詰められた恋人達」の行動しか取らなくなって若干つまらなくなってしまう。そこが残念。
フィリッポ役ジョヴァンニ・リビージは相変わらずの小動物っぷりで大変満足。通訳するときのキョロキョロ目線がいい。フィリッパ役ケイト・ブランシェットのやつれ方も美しい。