バグズ・ライフ

人は良いんだけど失敗ばかりの発明好きのハズレ者アリはバッタ族への捧げ物を台無しにしてしまい、責任を取ってバッタを倒す“戦士”をスカウトに旅に出る。彼は誤解からサーカスの売れない芸人虫達を連れてきてしまうが、ひょんなことから彼等は信用を得て群れの歓迎を受ける。ところがある日、彼等が戦士ではないことがバレてしまい……というお話。
ピクサーの映画には外れがなさそうだからどうしても面白い映画が見たいときのために取っておこう、と思っていたのだけど我慢できなくなって見ることに。『Mr.インクレディブル』の公開も近い(?)し。
さて、見てしまってどうだったかと言うとやはりピクサー、サービス精神に溢れた素晴らしい娯楽映画でした。今作は要は「アリだって勇気を持って団結すればバッタに勝てる」「ハズレ者だってみんなの役に立てる」って話なわけで、でもそのへんをくどくど見せない軽い演出が実にハッピーで心地いい。チビッコ姫が石を差し出すシーンは泣けるなあ。全てのキャラクターを“愛すべき者”として造形してみせる手管もやはり巧みで、最初は「何このテントウ虫にイモ虫、キモい」とか思ってても最終的には死ぬほど愛着が湧いてしまうというすごさ。エンディングの擬似NG集まで存分に堪能しました。
声のキャストもいつも通り超安定。名前を知ってる役者はバッタ族の親玉役ケヴィン・スペイシー*1くらいしかいないのだけど、みんないい演技。主人公アリを演じたデイヴ・フォーリーという人は小市民な感じが特に良くて気に入った。

*1:声だけならものすごくかっこいいということが今回わかった