愛が微笑む時

予期せぬバス事故で死んでしまった四人は幽霊となってちょうどその時事故現場で産まれた赤ん坊トーマスに取り憑く。それから30年後のある日天国から迎えが来、逝く前にトーマスに乗り移って何か一つだけ思い残したことをやり遂げられると聞かされ、四人はトーマスの協力を得て思いを遂げようとするが……というお話。
ベタと言えばベタな進行ではあるもののなかなか面白いアイデアの脚本で、見る者を和気あいあいとした幽霊集団に思いっ切り感情移入させてくれる。都合四回幽霊が成仏する場面があるわけですが、その都度泣けました。特に最後に成仏する幽霊は不運なんだけど、その不運を上回る奇跡が画面上で展開されるという少し捻った感動演出がとても優しく感じられて好き。ただ、馴染みの幽霊達を助けることによってトーマス自身の恋愛にも変化が……という部分はちょっと強引な気も。
出演者はみんなよくやっているのだけど、個人的にはトーマス役のロバート・ダウニー・Jrがもう大好き。いかにも“屈折しちゃってるけど根はいい人”に見えるし、取り憑かれ演技も程よく大げさでいい。幽霊の四人もそれぞれに個性的だし、脇役のバス運転手までも好演。