オーロラの彼方へ

子供の頃父親に死なれたせいで暗くなってしまった家庭で育った主人公は恋人との仲もダメになっちゃったりでもう散々。そんなある日亡き父の無線機を引っ張り出していじってたらば、なんと、オーロラの不思議な力で30年前の父親と無線が繋がってしまった!まだ生きてる父に死を避けるアドバイスを試みるも、今度はその影響でまた違う問題が未来に発生し……というお話。
何やらいろいろな要素を詰め込みすぎで慌しくなってしまっているのに心地よく見られたのは、無線機を通じ時を越えて対話する父子が暖かな雰囲気を醸し出していて、とても幸せそうだから。見ていてこの二人がいつか直接会えることを望まずにいられなく、だからいろいろ問題がありそうなラストだって許容できるのだ。あと、ジャック・フィニィの「愛の手紙」みたいな方法で過去から未来へ証拠を送ったりなんだりの時間旅行ネタをフルに活用した展開も面白い。
出演者では“いいお父さん”なデニス・クエイドと“父の愛に飢えた息子”なジム・カヴィーゼルが両者ともドンピシャリにハマリ役。この二人が良すぎて他はどうでもいい。特にカヴィーゼルさんは恐ろしい勢いで僕のツボを突くので困った。DVD特典のインタビューではメガネを手に持って喋るカヴィーゼルさん。お願いだから今すぐそのメガネをかけろ、と思うことしきりでした。いや、こんな冷静に語ってる場合じゃないのだけど。