大槻ケンヂ『くるぐる使い』

今頃!今頃読んでますよ、全くもう……。大槻ケンヂの唯一の短編集、ってことで合ってるかな。収録作は概ね文字通り電波な少年少女の哀しい青春模様を描いてます。
電波な方々の電波な言動が凄まじい言語センスでもって描写されていて面白かったけど、物足りないのは幻想が妄想として、歪んだ愛の中に位置づけられ片付けられちゃうラストが目に付くところ。そこをもう一捻りした「憑かれたな」みたいな作品のほうが僕は好きです。男が“生き残る”話が多いのもナルシスティックな感じがしちゃってなんだかなあ。いや、面白かったんですけどね。
ちなみに解説は綾辻行人が書いてます。何故かまるで自分のことのように恥ずかしいです。かああ。あと、これ読む限り作者は確実に妹萌え属性持ってるだろうと思われますが、その表れ方が微笑ましくて好きですよ僕は。