インファナル・アフェア 無間序曲

インファナル・アフェア』(→感想)の大ヒットを受けて突貫工事で作られたシリーズ第二弾。第三弾『終極無間』ももうとっくに本国では公開されてるのに日本公開は来年なのだそう。ちぇー。ちなみに今作のエンドロール後に第三弾予告編が流れてました。
さて、今回のお話は前作から時間を遡って潜入を始めた頃のトニー・レオンアンディ・ラウ(の若い頃)の哀しい物語を描く……ってことなのかと思ったら、(若い頃役の男優が弱いこともあって)どっちかってえとトニーの上司ウォン刑事とアンディの親分サムが“無間地獄”に落ちるまでを描くってな感じでした。かなり楽しめたけれど、ドラマに前作ほどの壮絶さはないし、人間関係複雑にしすぎてあちこちで辻褄合わなくなってる感もあり。あと、香港返還に思い入れのない日本人(僕)にはいまいちラストで沸き起こるべき感慨が伝わらず……。とは言え、車爆発とサム親分の泣き姿の二大重要シーンにはグッと来たので文句なし。
ウォン刑事役アンソニー・ウォンとサム親分役エリック・ツァンは前作よりさらに魅力的な好演。サムの仇となる黒社会のボス二代目役のフランシス・ンもカタギっぽいのに迫力十分で良し。で、問題のトニーとアンディの若い頃役の男優二人ですが、どちらも顔に力がないもののどちらかと言えばトニー役ショーン・ユーのほうが好印象。冒頭の“警察学校の主席”を演じてるときなんかはいい感じだった。この人はたぶん悩める優等生キャラが似合うんだろうな。