トゥー・ブラザーズ

ハンターに父を殺され、別々に人間に引き取られたトラの兄弟。数奇な運命により彼等は再び出会うことになるが、それをきっかけに二匹は危険視されて……というお話。
うへーつまんない。まあ、みなさん想像されている通りですよ。動物の“心情”を擬人的に描写する卑怯な類の映画。ストーリーは物凄くわかりやすくて、観客には自明なことまで丁寧に説明してしまうほとんど無粋と言っていいシーンもたくさん。兄弟の再会場面とか、兄弟が炎の海を突破する場面とか。さすがに子トラ君達に関しては思わず身悶えるような愛らしさを捉えられているのだけど、それに対して人間のほうが壊滅状態。うじゃうじゃいる俗物キャラの描き方は単なる不快感しか提供してくれないし、知事の“悩める二代目”っぷりは中途半端にも程がある。キャラが立っていると言えるのはガイ・ピアース演じる冒険家くらいか。
で、そのガイ・ピアースはさすがこんな映画の中でもまともな演技をしていて、人間キャストでは一番。クマル(弟トラ)との初めてのスキンシップで「指を返してくれよ」なんて言ってるシーンには泣けました。この人と同じくらい子役(兄トラの元飼い主)も魅力的だったら良かったのだけど。