麻耶雄嵩『螢』

大学のオカルトサークルの面々が今年も合宿で訪れたファイアフライ館。そこはかつて凄惨な大量殺人事件が起きた場所だった。当時の様子を再現した館内部に興味を引かれる彼等だったが、嵐で閉ざされた環境の中、本当の殺人事件が起こってしまう……というお話。
アスカベの『レオナルドの沈黙』(→感想)と同じくらいの期待外れ感を味わいました。つまんなーい。事件の構図が云々なんていう話の前に、まず、片っ端からネタがばれていくんですよ。いくらなんでももう少し意外性が欲しかった。過去の事件と現在の事件、さらにサークルのメンバーが連続殺人鬼に殺された事件までもが複雑に絡み合う……のかと思ったらそうでもない展開にも大いに不満。面白かったと言えるのはラストで明かされる屋敷の設計に関するある秘密くらいかな。これにしたってもうちょっと活かし方があったんじゃないかと思うのだけど……。
こないだの『名探偵 木更津悠也』(→感想)が面白かったんでそれほどのショックはないものの、やはり残念だなあ。