リング0 バースデイ

貞子の呪いが誕生するまでを描く「リング」シリーズ“エピソード1”にして最終作。死者まで出たあの超能力実験の十数年後、二十歳前の貞子はある小劇団に属していた。ところが、貞子が入団して以来劇団内で奇妙な事件が次々に起こり、遂には一人の団員が死亡した。一体何が起こっているのか?というお話。
前二作とは監督も変わったというだけあって、最後のバーン!よりその前のしつこく色々な場面で繰り返されるジワジワが怖いというパターンになってます。ちょっと『呪怨』っぽい演出とでも言おうか。これはなかなか面白く、劇団員のそれぞれや貞子を追う新聞記者にまで迫り来る得体の知れない(貞子が主役であるにも関わらず!)モノをバラエティに富んだ描き方で見られて飽きない。貞子に関するある秘密のネタは巧く活かされてるとは言い難いけど、これはこのネタ出したってだけで拍手モノでしょう。
不満を挙げるなら、公演初日舞台はとんでもないことに……のところはもっと派手な怪奇現象が起こったほうがその後の劇団員の行き過ぎた行動にも説得力が出て良かったのでは、というくらいかな。終盤の展開は迷走気味ながらそれでも怖さを保ったままなのがエラい。キャストでは仲間由紀恵の薄幸オーラが効いている。脇役の麻生久美子なんか完全に食われてて可哀相なくらい。