三田村信行『恐怖の13時間』

この夏は図書館を利用して未読の三田村作品をどんどん潰していきますよ。感想もどんどん書きます。で、第一弾のこれは、小学生の仲良し女の子三人組が遊園地の観覧車に乗って一番上まで行ったまま忘れられ、次の日の開園時間まで閉じ込められたまま13時間を過ごす、というお話です。
極限状況の中で、仲が良かったはずの3人も互いに隠していた不満を吐き出し合い、非常に気まずいムードになるという性質の悪い展開がいかにも三田村作品だなあ。3人の中で一番気の弱い女の子が積もり積もったものを爆発させる場面は白眉。でも終わり方は……あれ?意外にヒドくないじゃないか。ちょっと肩透かし。でもこの穏当エンドが逆になんだか怖かったりするのだけど。