ムーンライト・マイル

結婚式直前に死んでしまった花嫁。残された花嫁の両親ダスティン・ホフマンスーザン・サランドンと婚約者ジェイク・ギレンホールは奇妙な同居生活を始める。だが、ジェイクにはある秘密があって……というお話。
プロットの段階でかなり面白いネタだと思うのだけど、そこに静かで落ち着いた脚本と音楽(無音のシーン多し)、それに見事なアンサンブル・キャストが加わって、地味ながら良質な映画になってます。ジェイクと彼が惚れてしまう女性郵便局員がバーでダンスするシーン、ジェイクとホフマンが丘の上のベンチで会話するシーンなど、印象的なシーンもとても多い。ただ、みんなが“悲しみを乗り越える”ラストの処理はいささか大雑把で残念。
前述の通りキャストの演技は素晴らしく、ホフマンの穏やかながらちょっと強引なお父さん、サランドンの気が強く奔放なお母さん、ジェイクの優しいけど優柔不断な青年、それにエレン・ポンピオ演じる郵便局員までみんな、行き過ぎてないのに切実さを感じさせる演技でいちいち目が奪われた。こういうジェイクも好きだなあ。